世界最強の後衛

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#13

第12話放送後インタビュー:松岡禎丞(アリヒト役)、中村桜(キョウカ役)

――最終話は幻想の小島を舞台とした「水着&休息回」でしたが、いかがでしたか?

中村:視聴者のみなさんはどういう気持ちでご覧になったのでしょうか(笑)。でも、みんなの水着姿を楽しめる、まさに戦いのご褒美のようなボーナス回でしたね。いつも戦いありきで物語が進んでいたので、何にも縛られない、みんなの日常的なやり取りが見られて嬉しかったです。

私としては、キョウカの「元上司」という立場はあまり気にせず、ひとりの女の子として無邪気に楽しんで演じました。ここまでを通してキョウカもだいぶ丸くなって、かわいい一面がたくさん出たなと思います。

松岡:水着回であり休息回ということになっていますが、迷宮要素もしっかり入っています。それに、キョウカの新たな一面も見られました。彼女がかわいいと夢中になっていたモンスター……現実的に言ってしまったら、ペンギンですよね(笑)。

中村:ペンギン(笑)。ずっと「ほわほわ〜」って反応してましたからね。

松岡:「意外とかわいいもの好きなのかな」という発見もありました。

ですが全体を通して見ると、休息回という名目でありながら、起承転結がしっかりしていてバランスがいい回です。普通なら討伐してしまうような強力な「名前つき」の魔物相手でも、アリヒトは特殊な能力でどうこうするのではなく、優しく対話して保護し、無事に飼育場の仲間の元へ帰してあげるという展開もあります。

それに、第12話はこれまでの仲間たちがほぼ総動員でして、次の七番区へ進むための準備や決意を固める描写もあり、「ここから新しい扉を開いて先に進んでいくんだな」とワクワクさせてくれる回でもあります。ぜひ第2期を……!

中村:完全に次の展開への導入になっていますよね。

――中盤はアリヒトとキョウカのシーンも描かれましたが、おふたりはどうご覧になっていましたか?

中村:キョウカはアリヒトに対して、明確に「好き」と言葉にしているわけではないですが、改めて「特別な好意」を抱いているんだろうなと感じました。彼女自身、決して恋愛に慣れているタイプではないはずなので、そんな自分の気持ちに戸惑っている部分もあるのでしょうね。

最初のキョウカの印象であれば、もっとアリヒトを振り回して、ストレートに好意をぶつけてきそうですよね。でも実際は、彼の様子をうかがってちょっと引いちゃったり、落ち込んじゃったりする。そういうところに、すごく乙女らしさを感じました。

松岡:アリヒトはアリヒトで、あまりキョウカのことを意識していないのが……やりますよね(笑)。

中村:そうなんですよね。普通ならちょっとは好意に気付きそうな気もするんですけど。

松岡:第12話の途中からは完全に「デート回」でしたね(笑)。ただ、デートのような雰囲気でありながら、モンスターたちを見て回るというのもこの作品らしくて面白かったです。「この世界にも害のないモンスターがいるんだな」「コーラルピーゴたちともわかり合えるんだな」と再確認できて、ほっこりしました。

中村:実は収録のディレクションでも、「恋する乙女感というか、もうちょっとアリヒトに思いを馳せている感じで」と言っていただくことは結構ありました。

――松岡さんはキョウカについて、収録を通じて印象に変化はありましたか?

松岡:最初はキリッとした印象でしたが、今は放っておけない無邪気さがあるかわいらしいキャラクターだと感じています。そういえば以前のアフタートークで、「アリヒトはグイグイ来られるのが苦手なんじゃないか説」が出ました。もしその説の通り、現実世界でのキョウカが彼に対してグイグイお節介を焼きすぎていたのだとしたら、当時のアリヒトは少しタジタジだった可能性もありますね(笑)。

――そんな現実世界とは打って変わって、異世界ではアリヒトが後衛としてキョウカに指示を出すという、逆の立ち位置になりました。

中村:キョウカは何でもできる技能を持っているものの、自分ひとりでは使い方まで考えるのは難しいのかもしれません。やっぱりアリヒトさんが的確に指示を出してくれるからこそ輝いているのだと思います。

松岡:現実とは逆の関係値だからこそ、上手くいっているのかもしれません。

――そして最後には、第1話から登場していた案内人・ユカリが再び現れました。このシーンはいかがでしたか?

松岡:彼女が出てきたことにより、最後の空気感がガラッと変わりました。

中村:どうしても味方に思えないんですよね……!

松岡:もしかすると、アリヒトたちがこの世界に来たのも、彼女が一枚噛んでいるのかもしれません。まだまだ迷宮のシステムはわかっていない部分も多いですし、ここからさらに敵も強くなっていくはずです。

そもそも、今までのことを思い返してみても、この世界のモンスターはとんでもない造形をしています。第1話のワタダマも、「お前、顔があるの!? しかも怖い!」という印象でした(笑)。

そうして色々な困難を経てやっと第12話までたどり着いたのに、「ここからが本番ですよ」と言われたら、もう眠れないですよね(笑)。また第1話に戻ったような、次のステージの始まりを感じました。

――しかも、最後のアリヒトのセリフはアドリブだったそうですね。

松岡:そうなんです! 実は現場でいただいた台本では、アリヒトのボールド(役名)が出ているだけで、セリフの中身は何も書いていませんでした。「どうしよう」と思っているうちに本番の収録が始まってしまったので、咄嗟に自分の中から出た「行こう」という言葉を入れたら、そのまま採用していただきました。

中村:こちらの台本にも書いていませんでした(笑)。まさに「俺たちの戦いはこれからだ!エンド」ですね。

――キャラクターたちの戦いや個性が全12話にわたって描かれてきましたが、改めて、おふたりのお気に入りのキャラクターをお聞かせください。

中村:私はメリッサが好きです。もともとビジュアルと中身のギャップが大きい子が好きなんですけど、彼女は年齢感の近いマドカと比べてもすごく成熟していて。仕事をきっちりこなす「職人感」や、責任感の強さが魅力的ですよね。

松岡:僕のお気に入りは……ファルマです。あの特殊な癖があるところがいいですね(笑)。「鍵を開けるのが好きすぎる」ところもそうですし、1度でもミスをしたら二度と開けられなくなるスリルや、パズルを解くことに快感を覚えているところもです。普段は物腰が柔らかくて、包容力があるお母さんのような雰囲気なのに、箱を開けるとずっと「ハァハァ」言っています(笑)。そのギャップが面白くて、「あ、だからこの仕事が天職なんだな」と妙に納得してしまいました。

――最後に、ここまで見届けた視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

中村:アニメ『世界最強の後衛』は最終回を迎えましたが、まだまだ明かされていない謎もたくさんあります。キャラクターたちの旅は始まったばかりですし、私たちもまだ知らない未知の領域があるので、その先の物語もみなさんと一緒に見られるよう、ぜひ応援していただけたら嬉しいです。

松岡:第12話までお付き合いいただき、本当にありがとうございました! 最後はほのぼの回でありつつ、少し不穏な終わり方にもなりましたが、これからどうなっていくのかは、原作を追っていただいてもいいですし、第2期を期待して待っていただいても嬉しいです。そこはみなさんの応援にお任せします(笑)。

ただ、色々な伏線がまだ回収されていませんし、アリヒト自身もまだまだ「世界最強」とは呼べません。彼がいかにして最強になっていくのか、また見届けていただけるよう、今後も『世界最強の後衛』の応援をよろしくお願いいたします。

取材・文:MoA