SPECIAL
#10
第9話放送後インタビュー:石川由依(エリーティア役)、早見沙織(スズナ役)
――第8話でマドカが仲間に加わり、第9話は彼女の歓迎会から始まりました。ミサキの提案で王様ゲームが始まりましたが、和気あいあいとした様子をご覧になっていかがでしたか?
早見:歓迎会で王様ゲームをやるのだと思いました(笑)。ミサキらしい勢いですよね。普段は和気あいあいとしているように見えて、実はとても人を見ているというか。思いやりの出し方がミサキらしいと思いました。
石川:大胆というか、ほかの人が思いつかないようなやり方ですよね。だからこそ、思わず本音を吐露してしまう部分があったのではないかと思います。
――第8話では昇格試験を巡って、早く強くなりたいエリーティアと、じっくり強くなりたいアリヒトの間で対立がありましたが、今回、無事に和解することができました。
石川:エリーティアとしては、仲間を助けたいという思いが強すぎて焦ってしまっている部分があるんです。でもアリヒトとしては「急がば回れ」という判断で、そこで少し衝突が見られました。本当に、ミサキのおかげで本音を話せてよかったです。
早見:エリーティアが抱えているものが、やっとほどけました。スズナはエリーティアに「大丈夫ですよ」と言ってあげましたが、これまでの積み重ねがあったからこそ、スッと声をかけにいけたのでしょうね。
――やっとエリーティアの本音が出てきて、涙するような弱い一面も見られましたが、おふたりはあのシーンを振り返ってみていかがでしたか?
石川:エリーティアも決して、みんなを信頼していなかったわけではないんです。でも後ろめたさもあったりして、どうしても本音までは言い切れない、出しきれない部分があったと思います。
彼女自身、「どこかで話さなきゃ」という思いがずっとあったはずなので、ちょっと巻き込まれる形で本音が言えるようになったのはよかったなと。周りのみんなが支えてくれて、「みんなになら話してもいいかな」と思えるものが徐々に積み重なった結果、こういうふうに話せるようになったのでしょうね。
早見:エリーティアは最初から強者のオーラというか、堂々たる雰囲気が漂っていました。スズナが転生してきて最初にエリーティアと出会ったときから、ずっと「頼れる人」という空気がありましたし。みんなからそう思われている分、エリーティア自身も弱音が言えなかったり、弱い部分を見せないように抱え込んでしまうところがあったのだと感じています。
――エリーティアが本音をこぼしたことで、ふたりの絆もさらに深まったように感じます。
早見:そうですね。スズナは最初に困っているところを助けてもらっていますし、お互い目的があり一緒に歩んできた中で、スズナはエリーティアのことを本当によく見ているのだと思いました。
――過去の因縁が明かされるシーンでは、「絶対に許さない」「殺してやる」といった強い感情が溢れていましたね。
石川:アフレコでも「もっと怒りを表に出していい」「恨みをぶつけていい」というディレクションをいただきました。普段のエリーティアはちゃんと周りを見られるからこそ、そういうネガティブな感情を外に出さないように行動していた部分があったんです。でも、実は内に秘めていた思いがすごく強くて。みんなと行動しているときも「早くしなきゃ」という焦りがずっとグルグル渦巻いていたんですよね。それが今回ようやく目に見える形で外に溢れた気がします。
彼女は本当は弱い部分がたくさんあるのに、それを人に見せられない不器用なところがあるんです。自分の目的がひとりじゃ達成できないとわかってはいても、完全な本心を打ち明けて「手伝ってほしい」とお願いすることまではできていなくて。でも今回、ミサキがきっかけをくれたことで、ようやく素直になれたんだなと感じました。
――その素直な思いを真っ直ぐに受け入れてくれる、アリヒトのリーダー力も出ていましたね。
石川:冷静でしたよね。
早見:本当に冷静でした。全てを見て、相手に同調しつつ自分の意見もしっかり持っている人です。
――早見さんは、優しくそっと寄り添うスズナを演じるうえでいかがでしたか?
早見:ディレクションでも、「エリーティアを優しく包み込んでなだめてあげるように」と言われていました。エリーティアが周りが見えなくなるくらい自分の内側の怒りや後悔に苛まれて取り乱している中、一緒に激しいテンションになって収めようとするのではなく、スズナはスズナとして、落ち着いて柔らかく接する。いつもの優しいスズナ、あるいは「より優しいスズナ」として声をかけてあげるという対比ですね。これまでの関係性の積み重ねを思いながら演じさせていただきました。
――アフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか?
早見:私はこの話数に限らず、由依さんの近くに座らせてもらうことが多かった印象があります。いつもお話ができて嬉しかったです。
石川:私もです!
早見:今まで共演はあっても、大きな掛け合いはそこまで多くありませんでしたし、隣に座ってずっと話すような機会も少なかったです。いつかゆっくりお話ししたいと機会をうかがっていた中、今回の共演でそれが叶いました。
石川:本当にたわいない話ばかりでしたけど、すごく心地よかったです。沙織ちゃんが隣で一緒に喋ってくれると思うと、現場に行くのもすごく楽しみでした。そのおかげで、エリーティアとスズナの関係性に対してもすごく熱がこもりましたね。
エリーティア目線から見ても、最初にスズナに声をかけて本当によかったなと思います。スズナはもともとの戦闘力がすごく高いわけではないかもしれませんが、エリーティアにとって精神的な安定剤になっているんですよね。
早見:確かに、エリーティアの少し不器用なところと、落ち着いているスズナの相性がちょうどいいんですよね。
石川:エリーティアが持っていないものを、スズナが補ってくれているような気がします。
――パーティ全体としての結束もどんどん高まっているように感じます。
石川:結構バランスがいいですよね。何よりアリヒトがいることで、強さが底上げされるというか。技能を上げてもらっているのはもちろんですが、彼の存在感そのものがみんなを支えてくれていて、それでより結束が強まっているのかなと思います。
早見:みんな、戦い方がそれぞれ違うからこそ連携が取れていますよね。アリヒト任せというわけでもなく、「ここは私が!」とそれぞれがしっかり自立して戦おうとしているのが伝わってきます。
――ここまでを通して、ご自身のキャラクターに変化を感じたところはありますか?
石川:最初はちょっとツンツンしているというか、自分の内に秘めている部分があったからこそ壁を感じるところもあったのかもしれません。でも、少しずつみんなにも慣れていって、自分から人に頼れるようになってきて。今回の話数は特にわかりやすく自分の心情を話せるようになっていますよね。
今までは自分が「お願いして、一緒にいてもらう」立場だったから、あまり素の部分や弱い部分を見せられなかったと思うんです。でも、今はみんなが「一緒にいたい」と思って一緒にいてくれているので、そのおかげで年相応な部分も見えてきているのかなと感じました。
早見:スズナの包容力や落ち着いた性格は転生前と変わっていないと思いますが、戦闘や霊能力の成長は著しく感じています。もともと弓道をやっていた神社の娘として素質があり、この世界に来て新たな才能が急に花開いたり、色々な発見があったことで、それがぐんぐん伸びているのだと思います。
――登場キャラクターも増えてきましたが、皆さんのお気に入りのキャラクターは誰ですか?
石川:私はシオンがかわいいなと。人間の会話が続く中でシオンがいると癒しになりますし、大きい割に声がかわいいんですよね(笑)。でも、いざというときに守ってくれる頼もしさがあるので、身近にいてほしいなと思います。
早見:私はレイラです。自分には亜人を人間に戻す力はないかもしれませんが、せめて亜人を守ってあげる場所を作ろうとしていて素敵です。登場回数は少ないものの、亜人に対する思いが熱く、すごく愛情深い人なのだと伝わってきました。
――第9話では、テレジアがより感情豊かな一面を見せてくれましたね。
石川:どんどん感情が表に出るようになってきて、かわいいですよね。
早見:大胆なところもありますし、「そんなことやっちゃうの?」と、逆に私たちのほうが戸惑ってしまうくらいで。
石川:見ているこちらがドキドキしちゃいますよね。でもそれがすごくかわいいですし、「こんなことまでできるようになったんだな」と、つい親目線になってしまいます(笑)。
思い返すと、初期の頃はテレジアの感情表現はもっと薄かったじゃないですか。台本のト書きに「テレジア」と書いてあるから、古賀(葵)ちゃんがアドリブを入れようとマイク前に入っても、スタッフさんから「あ、そこは(声は)いりません」と言われてしまうやり取りがすごく多かったんですよね。
早見:そうでしたね。最初の頃は私たちも「テレジアってそもそも喋るのかな?」と話していたくらいです。ご本人も「ここは入れないほうがいいかな」と探りながらアフレコをされていました。
石川:ディレクションを受けても結果的に「やっぱり声はいりません」となることが多かったので、マイクに入るべきかどうかも含めて、本人の中ですごく考えながら演じていたと思うんです。
早見:どれくらいの塩梅でお芝居を入れるべきか、すごく試行錯誤されていました。本当に一息、二息に全てを懸けるような収録だったと思います。ですが、言葉を喋るわけではないのに、表情豊かな息のアドリブがどんどん増えていきました。最近はたくさん声が聞けるようになったという印象があります。
石川:回を重ねるごとに古賀ちゃんがしっかりマイク前に立つ姿が見られるようになって、「よかった、声が出せたね!」って私たちも嬉しくなりました(笑)。セリフがない分、息だけで感情を表現するのは逆にすごく難しいキャラクターだったんじゃないかなと想像します。
早見:だからこそ、今では古賀さんから出てくるものが「正解」なのだと思います。息のお芝居だけでも「これがテレジアなんだ」と、キャラクターとして完全に成立しているのを感じました。
――最後に、第10話放送に向けて、視聴者の方々にメッセージをお願いします。
早見:第10話は、前半でマドカとメリッサが仲良くなる微笑ましいシーンがあります。「こことここが仲良くなるんだ!」という意外な組み合わせでもありつつ、アリヒトがきっかけでみんなが繋がり、どんどん仲良くなれました。パーティ以外のメンバーもすごく身近に感じるお話になっています。
石川:そうですね。ただ、いざ昇格試験が始まると、何やら不穏な気配が漂ってきて……。
早見:ゲオルグさんたち「北極星(ポーラスター)」のメンバーも登場しますが、今回は単なる顔見せだけではありません。
石川:詳しくは言えませんが、ここからは結構シビアなバトル展開になります。でも、パーティの絆やレベルが高まっているので、その成果をどう発揮して立ち向かっていくのか、ぜひ見届けていただきたいです。
早見:仲間が増え、いろいろな人と知り合いになったからこそ直面する苦しい局面です。それをみんなでどう解決していくのかが、これからの見どころになっています。
取材・文:MoA
