SPECIAL
#12
第11話放送後インタビュー:松岡禎丞(アリヒト役)、古賀 葵(テレジア役)
――第11話の前半では、「蔓草の傀儡師」に操られた者たちとの戦いが描かれました。前衛と後衛が見事な連携で立ち向かいましたが、パーティの活躍をご覧になっていかがでしたか?
松岡:ここまで色々な悶着もありましたが、ひとつのパーティとしてしっかり完成してきたと感じました。「アリヒトさん、どの技能を解放したらいいでしょうか」といったやり取りにも無駄がなく、全員の技能がきちんと生きています。
アリヒト自身も後衛として、とてつもない速度で成長しています。第1話の頃と比べても覚悟が決まっていて、目の力が段違いというか。後衛でありながらも「自分がいる限り、(仲間を)絶対に死なせない」「俺が守って支援する」という強い意志が見えます。
――戦闘はもちろんですが、パーティ間の人間関係も大きく進展しました。
松岡:中でもテレジアは面白い反応をするようになりました。ヤキモチなのかはわかりませんが、尻尾に感情が表れていたりして、かわいらしい描写が増えました。ただ、そうやって穏やかな日々が続くと思っていたら、ゲオルグたち「北極星(ポーラスター)」のパーティが壊滅してしまいます。最初は、彼らが敵になるのかと思っていました。
――たしかに、アリヒトたちにランクを抜かれたことで敵対する展開なのかなと勘ぐってしまいました。
松岡:そうなんです。 僕も「後で敵になる間柄なのかな」と身構えていたら、素でいい人たちでした。そういうギャップが要所要所に散りばめられているのも、この作品の魅力だと思います。
――古賀さんから見て、前半の戦闘はいかがでしたか? テレジアも大活躍でした。
古賀:「蔓草の傀儡師」は今までの敵とは一味違い、知性を感じる相手だったので「いよいよ最終戦だな」という緊迫感がありました。でも、これまでの物語の中で自分の抱える問題と向き合い、心を成長させたパーティのみんながいたので心強かったです。アリヒトのサポート力も素晴らしくて、必要なスキルを的確に上げて次に生かしていく連携が見事でした。
――これまでの戦いを振り返ると、テレジア自身、スキル会得に前向きな姿勢を見せていましたね。
古賀:はい。「これはどうなんだろう」と自分でもしっかり考えている描写がありましたよね。「このスキルはここで役立つはずだ」と自発的に選択できるようになったのは、きっとアリヒトさんの影響なのだろうなと思います。
――一方、ヤキモチを焼いて腕を掴むようなかわいらしいシーンもありました。
古賀:最初は警戒した野良猫のようにツンツンしていましたが、だんだん心を開いていく過程がかわいらしいですよね(笑)。後半になるにつれて、少し空回りしてしまう不器用さも含めて「本当に普通の女の子なんだな」という愛おしい一面がたくさん見えてきました。アリヒトとの間にしっかりとした信頼関係が築けたことも伝わってきて、とても嬉しかったです。
――物語も終盤に入り、演技のアプローチにも変化はありましたか?
古賀:だいぶ変わりました。照れている表情など、初期の頃よりもわかりやすく顔に出るようになったので、「これくらい感情を入れてもいいのかな」と調整しやすくなったんですよね。息のお芝居やリアクションを返すようになったのも大きくて、すごく演じるのが楽しかったです。
――後半、精神世界で傀儡師本体との戦いが描かれました。アリヒトにとっての精神的な戦いでもありましたが、振り返ってみていかがでしたか?
松岡:アリヒトには珍しく、声を荒らげて感情を露わにしていました。実は僕自身、昔から寄生系のモンスターがとても苦手で……。人間に憑依して操るという設定が本当に不気味で、気持ち悪さを感じていました。
だからこそ、「下手するとソフィを助けられず、倒すしかないんじゃないか」という絶望的な状況から、仲間と一緒に救い出すことができて本当によかったです。本作にしては珍しく、非常にシリアスな展開でした。
今回、アリヒトがあそこまで思い詰めていたのは、後衛という職業だからこそ、「自分がみんなを守らなければ」という気負いがあったのだと思います。自分ひとりが頑張ればなんとかできていたことが通用せず、大きく打ちのめされていました。ですが、心が折れかけても自問自答して「助けたい」と気持ちを奮い立たせたのは彼らしいです。「持ちつ持たれつ」がパーティですし、この経験を経て、彼はさらに仲間のことを信じられるようになったはずです。
――古賀さんから見て、ここまで成長したアリヒトはどう映りますか?
古賀:アリヒトは転生する前の世界でもひとりで仕事を抱え込んでいたので、「人に頼ってはいけない」という思い込みがあったのだと思います。でも、最後は諦めそうになったところから「やっぱり助けたい」と立ち上がれたのは、この異世界で仲間たちと過ごした時間があったからこそですよね。ひとりでは解決できない精神的な壁も、仲間の存在があったからこそ乗り越えられたんだなと。
――改めて、言葉を持たないテレジアとの関係性やコミュニケーションについてはいかがですか?
松岡:テレジアが単に命令に従うだけの亜人ではないとわかり、今は彼女を元の姿に戻すために戦っています。最初の頃は少し腫れ物に触るように接していましたが、テレジアがしっかり話を聞いてくれていることがわかってからは、自然に話しかけられるようになりました。
今では阿吽の呼吸で連携が取れていますし、言葉は通じなくても意思疎通はできている距離感が、面白くもあり、もどかしくもあります。戦闘面でも日常でも本当に素晴らしい関係性になったと思います。ただ、アリヒトが鈍感なのは相変わらずですが(笑)。
古賀:本当に、言葉がなくても通じ合う感情ってあるんだなと、演じていて強く感じます。「これがやりたい」という思いが、言葉を交わさなくても伝わっているのが素敵ですよね。第11話でテレジアが精神世界に助けに来るシーンも、今まで過ごしてきた時間が紡いだ強い絆があったからこそ成し得たことなのでしょうね。
松岡:ですが、これだけ深い関係性を築いてきたからこそ、テレジアが元の姿に戻ったときにどんな反応をするのか気になります。亜人だった頃の記憶は引き継がれるのかなども含めて。
――お風呂での出来事なども覚えているのか、気になるところですね。
松岡:もし記憶が引き継がれたら、反応は二極化すると思います。元に戻れたことに感動してハグしてくれるのか、記憶が一気に押し寄せてきて「見ないで!」と恥ずかしがってしまうのか。重要なポイントになりそうです。僕はあまり先の展開のネタバレをされたくない性格なので、原作者の先生にはあえて聞かないようにしています。
――作品全体を通して、古賀さんが特に印象深いシーンを教えてください。
古賀:テレジアを正式な仲間にするために、アリヒトが傭兵チケットを100枚集めてくれたエピソードですね。いざ仲間として迎え入れられたとき、テレジアが「ハッ」とした表情を見せるのですが、それを見たアリヒトが「ちょっと変わったね」と声をかけてくれたのがすごく印象的でした。
アリヒトだったからこそ、彼女のわずかな変化に気付いてくれたのだと思います。「この子にもちゃんと感情があるんだ」ということがしっかり伝わる、大好きなシーンです。
――いよいよ次が最終話となります。ここまで見届けてくれた視聴者のみなさんへメッセージと、最終話の見どころをお聞かせください。
松岡:予告を見て驚かれた方も多いと思いますが、まさかの最終話にして「水着回」です(笑)。アフレコ現場でも「普通は第5話とか第6話でやるものなのに、最終回で水着って聞いたことないぞ」と話題になっていました。
これまでのシリアスな展開を頑張って乗り越えてきたからこそ、みんなで思いっきりエンジョイできる楽しい回になっています。ただ、面白いだけで終わらないのがこの作品の魅力です。最後の最後に「えっ?」と驚くような仕掛けもあるので、ぜひ最後まで楽しみにしていただけたらと思います!
古賀:第11話が「本当の最終回」のような熱い展開だった分、第12話ではみんなが楽しく過ごしている平和なシーンがたくさん見られます。これまでもお風呂のシーンはありましたが、やっぱりみんなの水着姿が見たいですよね(笑)。存分に楽しんでいただけると思います! それに、アリヒトとテレジアさんのシーンも、ふたりの距離がさらに縮まったことが感じられてすごく素敵なんです。
ただ、そのまま平和な空気で終わるかと思いきや……一番最後には、第1話から繋がる伏線というか、「あ、この人ってそういう感じだったんだ」とハッとさせられるようなシーンが待っています。すごく先が気になる終わり方をしているので、ぜひこれまでの物語を思い返しながら、最後の最後まで見届けてください!
取材・文:MoA
